おじいちゃんの青春

アダルトチルドレンの日記
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若い頃、
仕立て屋の仕事をしていたおじいちゃん。

京都で修行していた頃に
師匠から何度もひどく怒られたこと、
ものは見る前に習え
聞く前に知れ、
質問なんてできないから本当に困った
と。

時々機嫌がいい日に限って
話してくれました。

わたしはそれを聴くのが大好きで、
機嫌がいい日を選んでは、
京都の話がききたい
とおねだりをしていました。

おじいちゃんが京都の話をするときは
いきいきしている。

子供ながらにそれを感じられたし、
おじいちゃんと
普通の会話ができて嬉しかったから。

若い頃の写真も
時々見せてくれました。

いつかおじいちゃんが見せてくれた
作り途中の背広は
まるで機械で縫ったかのような
正確な縫い目で、
それはおじいちゃんの
気質を表していました。

働き盛りに
事故を理由に仕立て屋の仕事を
やめてしまったけれど。

本当はむち打ちだった事故の怪我も
頭蓋骨が割れたと言って。
生まれつき曲がっていた片足を
釘を踏んだと嘘をついて。

誰とも交流を持たず、
毎日家の事と孫の面倒をみて、
自分の生活の安全を守っていたおじいちゃん。

本当は笑いたいのに。

おじいちゃんがたまに見せる
はにかみの笑顔が
孫の胸にちくりと刺さった。

自分を、
ありのままの自分を
表現できなかった
おじいちゃんの世界。

わたしが知っている
家にひきこもり
寝間着で過ごしていた
おじいちゃん。

の青春は、
おじいちゃんが大好きだった
わたしにとっても
きらきらして見えました。

死んでいく前のおじいちゃんは
ぼけて、
割れたガラスみたいだったのが
あんドーナツみたいになっていた。

かわいくなって、
おいしいものを
おいしいと
言えるようになって、
甘いドーナツを何個も頬張りながら
笑うようになっていた。

やっとリラックスできたね

^^

今おじいちゃんが生きづらさを
全て脱いで
天国で
何の不安もなく
穏やかな心で
いてくれますように。

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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