先進国に特有の病気と言われる摂食障害。
過食嘔吐に関して言えば、
繰り返すことで多臓器不全を起こす可能性もあり、
低体重である場合、死亡率18%にまで及ぶとても危険な病気です。
軽視できないのは、薬を飲めば治るような病気ではないところ。
摂食障害の研究が進められる中で
まだまだ原因が分からない部分もあるようですが、
今日は軽度の過食嘔吐を経験した当事者として
過食嘔吐とそれを引き起こす原因のひとつになっている
不安定な心の関係をお伝えしようと思います。
過食嘔吐だけが心を安定させるものになっている 【吐くことで全てが無かったことになるかのような錯覚】
【過食は気持ちを満たす作業】
【嘔吐はすべてを綺麗に流す作業】
過食嘔吐を繰り返す人の中には
このように感じている人も少なくないと思います。
過食で気持ちを満たした後、嘔吐をすることで、
身体や心に溜めていた不安やイライラなど
負の感情を自分の中に取り込んだ食べ物と一緒に
一気に自分の外へ押し流しているような感覚に。
吐くという作業は苦しいはずなのに、
【吐くことで全てが無かったことになるかのような錯覚】
に陥っているため、繰り返されてしまいます。
摂食障害のきっかけになり得るもの
摂食障害で悩む人というのは
理解してもらえないという経験をしてきた方が殆どで、
自己否定をしやすい傾向にあるという調査結果も。
直接的な原因が分からなくても、
普遍的な家族間の問題であったり、
自信を喪失してしまう出来事に直面することも原因になりやすいです。
また、痩せ願望が摂食障害のきっかけになることは
一般的に痩せている方が美しいとされる現代の傾向では
十分理解ができるかと思います。
原因が分からないまま進行することも
過食嘔吐には様々な要因が考えられることが分かりましたが、
自分でも気が付かないことが
原因になる可能性も大いにあります。
自分の気持ち、状態を見つめる余裕さえ持てない時に
何が原因かもわからないまま過食嘔吐にはまっていくことほど
怖いものはありません。
アダルトチルドレンと摂食障害の関係
わたしの場合は当時特別な出来事があった訳ではありませんでしたが、
物心ついた頃から普通でない家族の中、
親の職業のプレッシャー、
ワークホリックな親、
ノイローゼで引きこもりの家族のご機嫌とり、慰め役などをしてきて
今考えれば常に気の張った状態で、
おそらくそういったストレスが過食嘔吐の原因だったと思います。
母のことは可哀そうだと思っていたし、
母をいじめるおじいちゃんは一方では見えない恐怖に怯え
孫に過干渉でしたが、
帰りの遅い両親の代わりに一緒にいてくれました。
考えられることは、
常に不機嫌だった父もまた、
ノイローゼで引きこもりだったおじいちゃんに気を遣って育った
アダルトチルドレンで、
わたしが機能不全家族で育つことは避けようもないことでした。
そんな家族を思うと怒り、悲しみ、同情と複雑な心境になりますが、
このような自分の経験から推測すると、
摂食障害とアダルトチルドレンの関係はあるような気がしてしまいます。
大好きなおじいちゃんや母の慰め役(プラケーター)をしていたのは苦痛でなく、大好きな二人を目の前に自然なことでした。
当時は知らなかったHSPという自分が持っている気質も手伝って小学生の頃から常に悩みが多く、また普通ではない家の事を誰にもバレたくない、【いかに世間に普通に見せるかを課題に生きてきた】
私にとってそれが普通なことでしたが、自分や自分の家は普通でないという慢性的な考えはあったと思います。周りに本当の姿を偽らなければ安心できない、自己肯定感の低さも原因のひとつだったのかもしれません。
わたし自身どうして過食嘔吐が止められたのか
不思議と記憶がないのですが、
大学進学すると決まった頃
高校入学後8キロほど増えていた体重は
ゆっくりと元に戻っていったと思います。
症状改善のための適切な対応
簡単に言ってしまうと、
緊張の原因、ストレスの原因を取り除くことが一番大切です。
なぜなら摂食障害の殆どは不安定な心が引き起こしているから。
誰にでもそうなる可能性はある。
だからこそ、もっと過食嘔吐へ認識、
知識を広めることが必要だと思っています。
場合によっては入院が必要なケースも。
生活に支障が出るまで症状が出ている場合、
入院して生活環境を変えることで物理的に
過食嘔吐の習慣から離れることができます。
行為を繰り返すような障害にとって習慣の変化は大きいため、
その人に合った段階を経て改善を目指すようです。
わたしの場合は中学、高校と家族に隠れて
過食嘔吐したい欲求にかられたときは行為を続けていました。
家族に見つかった時、家族は特に気にとめなかったようで
問いただされなかったことに安心していましたが、
こうなっている状況を本人が認識できていない場合や
行為を隠している場合は自分以外その実態を知ることが出来ません。
そういう意味でも特に体の出来上がっていない未成年の場合、
理解者としてフォローできる家族の存在はとても大きいです。
6月2日は世界摂食障害アクションディ
2016年、世界的に摂食障害の啓蒙支援活動を行う
世界摂食障害アクションディ(摂食障害の日)が制定され、
摂食障害に関する情報提供や行動をする取り組みがスタートしました。
活動は世界的に広まっているようで、
インターネット上からも気軽に
活動やイベントに参加できるようになっています。
6月2日は『摂食障害の日』 (sessyokusyougai-clinic.com)
摂食障害と闘っている人は心も身体もぼろぼろ。
こんな自分は恥ずかしい。
誰にも知られたくない。
そんな気持ちが悩みを大きくさせていると思います。
摂食障害の啓蒙支援活動により理解・知識が広まることで
【ひとりではない】と感じられることを願っています。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
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