父の不機嫌を許したい

アダルトチルドレンの日記
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日本を離れて暮らすようになって、
用事があれば連絡をくれる父。

歳をとって少し振り返る余裕ができたのか、
わたしに関心なかったはずの父が
時折「お父さん」であると感じる瞬間。

いつか姉に言われた言葉。
「親のことを嫌いだと結局辛いのは自分。
わたしも好きじゃないけど。
あまり嫌いにならないであげて。」

周りから見たら、
わたしはこれまで
父に優しく接してきたように見えるようで。
以前姉にぽろっと本音が出た時に
ひどく驚かれてしまいました。

「いきなり何?
そんなのは分かっているけれど、
好きでこうなった訳ではないよ。
嫌いな訳ではなく、苦手なだけ。」

「いつもそこに行きつくなら
本音を伝えてみたらいいじゃない?」

「離れて暮らしている今、
取り立てて新たに怒れることはないよ。
ただ過去のことだけど、
わたしを作ったものだから、
私の一部になってて、辛いだけ。
それは簡単に取れるものじゃないし。
理解してもらえないなら、
それは相手を傷付けるだけでしょ?
もう悟ったから、大丈夫。」

わたしは本当に父が苦手でした。
頭ごなしに叱りつける、
子供との会話はない。

引きこもりのおじいちゃんの圧に軟禁される母を置いて
家にいない。
いつだって不機嫌な父の顔がそこにはありました。
いつまでもどこまでも
子供をコントロールしようとする父だったと思います。

けれど姉に言われたことを反芻している間、
最近少なくともわたしに対する父が
少しずつ変わってきているような気がしていました。

わたしはわたしの家族でがんばっているからというのが、
少しずつ父に分かってもらえ始めているのかもしれない。
そう感じる機会が、ちらほらありました。

それは、わたしがちゃんと
「自分の意思を主張するようになったから」
かもしれません。

本当に嫌な人と思うことは正直あるけれど、
日本に置いてきた家の心配をして
時々手入れをしれくれている父。

感謝を伝え、父の大好きな蟹を送ることは忘れないけれど、
一番大切なわたしの気持ちが抜けてしまっていることが
どうしようもなく不甲斐ないのです。

ああ、私って本当に薄情な娘だ。
いつまでこの気持ちに囚われる?

気持ち。
わたしがコントロールできるものならば。

年に一度だけ会う両親。
次に会った時、
両親の衰えを感じた時、
色々な感情を包み消してくれるほどの
気持ちがわたしに沸いてくれたら。

わたしは不機嫌な父を作ったものたちを知っています。
そんな父に対する気持ちを抱く罪悪感に
わたしはいつまで囚われるのだろうか。

父を避けているのに、
いつもいつも、
父を作った悲しいものたちのことを考えてしまうこと。

どんなに自分勝手に生きている父のことも
「かわいそう」
父はなりたくてそうなったのではないと思うから。

まっさらな気持ちで、
ありがとうと伝えられたら
どんなにいいだろう。
前だけを向いていけたら
どんなにいいだろう。

父の不機嫌を許せたら。
父もわたしも、救われる。
それが答えなのかもしれない。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

機能不全家族の連鎖
アダルトチルドレンの葛藤、生きづらさとは?わたしは機能不全家族の連鎖を止めたい。

 

 

 

 

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